【平成21年度】1級建築施工管理技士(実地)【過去問分析】

【平成21年度】1級建築施工管理技士(実地)【過去問分析】

 

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問題1 建設副産物

平成21年度の論文テーマは建設副産物対策です。その問1がコチラです。

 

発生抑制、再使用、再生利用、熱回収、適正処分の5つの建設副産物対策から、異なる対策を3つ選び、①~③の事項について具体的に記述しなさい、という問題でした。

  1. 扱った資材名又は建設副産物名
  2. 実施した具体的内容
  3. 結果とあなたの評価

また、問2では地球温暖化対策について問われました。

建築工事現場において可能な二酸化炭素の排出抑制のための具体的対策を4つ、簡潔に記述しなさい、という問題でした。

 

 

問題2 仮設設備の留意又は検討すべき事項

1. 仮設事務所

留意又は検討すべき事項

できる限り工事の支障にならない建物規模、配置計画とする。

理由 

配置換えを極力なくし、人や資材・機材等の動きを常時管理するため。

 

2. 仮設電気設備

留意又は検討すべき事項

工事用電気使用工程表に基づいて受電設備容量を算出する。

理由

工事を進める上で必要な動力、照明、通信等の電力を確実に供給するため。    

 

3. 仮設道路

留意又は検討すべき事項

車両と作業員の動線を分離し、できるだけ交差させない。

理由

作業員と車両の接触事故を未然に防ぐため。

 

 

問題3 施工上の留意事項

1. 場所打ちコンクリート工事における杭頭処理

留意事項1

杭体にひび割れや損傷を与えないようにする。

留意事項2

主筋に損傷や著しい変形を与えないように行う。

 

場所打ちコンクリート杭というのは、現場で施工する円柱状のコンクリート構造物のことです。既製品のパイルとは違います。そのため、杭頭処理という作業が必要になります。

 

場所打ちコンクリート杭は、コンクリートの打設にトレミー菅を使用します。そして杭底から泥水やスライムなどを押し上げるように施工するため、杭の上部は低品質のコンクリートになってしまいます。

 

杭頭処理は、コンクリート杭がある程度硬化した後、上部の低品質部分をはつったりして撤去し、杭の頭の高さを設計の位置に揃える作業のことです。

 

なので、低品質部分を壊す際には、杭本体に有害な損傷を与えたり、内部の鉄筋に損傷や著しい変形を与えないよう注意しましょう。という問題でした。

 

 

2. 型枠工事の加工・組立

留意事項1

設計図書及び工作図に従って加工・組立を行う。

留意事項2

型枠は足場と連結させないようにする。 

 

型枠とはコンクリート構造物の鋳型であり、硬度が出現するまでコンクリートを守るための大切な箱です。

 

型枠の出来次第でコンクリート打設の仕上がりを左右します。

 

移動、はらみ、倒壊などが生じないようにしなくてはなりません。そのため足場との連結も避けます。足場にかかる負荷が型枠へ影響した場合、コンクリートにクラックが生じたりしてしまいます。

 

3. コンクリートひび割れ防止の打設・養生

留意事項1

コンクリートの打ち込み、とくに締固めは入念に行う。

留意事項2

直射日光や風などによる乾燥を防ぐため養生マットを敷く。

 

硬化初期の段階では乾燥や外気温、コンクリート温度の変化、その他の外部からの様々な影響によりひび割れが発生しやすいです。

 

そのため、打設の方法からその後の養生方法までの一連がひび割れの有無に大きく影響します。

 

基本的に養生方法は以下の3つです。

所定期間、適正な湿潤状態を保つ

直射日光や風を防ぐために養生マットを敷く

立入禁止措置をとり、振動や圧力を与えない

 

基本的な事なのでわかりやすいですね。

 

4. トルシア形高力ボルト

留意事項1

ピンテールが破断するまで締め付ける。

留意事項2

 マーキングのズレにより、供回り、軸回りの有無を確認する。

 

トルシア形高力ボルトの端部はピンテールと呼ばれる特殊な作りになっており、専用の締付け機器で締め付けると破断するようになっています。破断するまで締め付けることで所定の張力が得られるという仕組みのボルトです。

 

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締付け手順は他のボルトと同様で

一次締め

マーキング

本締め

という具合です。

ピンテールの破断というポイントがトルシア形高力ボルトの特徴で、あとは普通の六角高力ボルトと同じみたいです。僕は使ったことありませんけど。

 

 

問題4 不適当を適当に

1. ルーフドレン

ルーフドレンは、防水層の張りかけ幅及び塗りかけ幅が100mm程度以上確保できる形状とする。

 

また、下地がコンクリートとなる場合は、ルーフドレンはコンクリート打設前に先付けすることを原則とする。

 

取付に関しては、ルーフドレンのつばの天端レベルを周辺コンクリート天端より約30~50mm下げ、コンクリート打設時の天端ならしでドレンに向かって斜めにすりつけを行う。

 

ルーフドレンとは屋上にある排水溝の特殊なフタみたいなものの事です。

 

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ルーフドレンのつばは防水層の仕舞を確実に行えるように、防水層のはりかけ幅と塗りかけ幅が100mm以上確保できるものとします。

 

また、下地がコンクリートの場合は、打設前にルーフドレンを先付けしておきます。

 

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つばの天端レベルは周辺コンクリート天端より30~50mm下げておきます。そしてルーフドレンの周りは、ルーフドレンに向かって排水勾配を設けます。その半径は60cm程度とします。

 

 

2. 改質アスファルトシート防水の常温粘着工法

粘着層付改質アスファルトシートの張付けは、シート相互の重ね幅が長手・横方向とも100mm以上であること。

 

及び原則として水上側のシートが水下側のシートの上になることを確認した後、シート裏面の剝離紙を剥がしながら

 

転圧ローラーなどで平均に押し広げて転圧し密着させる。

 

シートの重ね幅は長手、幅方向共に100mm以上確保します。

 

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常温粘着工法における粘着層付改質アスファルトシートの張付けは、裏面の剥離剤(フィルム)が付いています。それを剥がしながら、ローラーなどで平均に転圧・密着させます。

 

 3. 張り石工事の内壁空積工法

高さ4m以下の壁の場合に適用され、一般に最下部の石材の取付は外壁湿式工法に準じて行う

 

一般部の取付は、下段の石材の横目地あいばに取り付けただぼに合わせて目違いの無いように据え付け、上端をステンレス製の引き金物で緊結する。

 

また、引き金物と下地の緊結部分は、石裏と下地面との間に50×100mm程度に取付用モルタルを充填して被覆する

 

内壁空積工法とは、施工高さが4m以下の内装用の工法です。

石材の上下2箇所を引き金物で躯体に緊結します。その緊結部周りにモルタルを充填して固定する工法です。

 

しかし、緊結した石材の裏面は空洞であるため、物や人が衝突すると石材が破損するケースがあります。そのため、最下部の取付を外壁湿式工法で行います。

 

一般部の取付は下段の石材の横目地の合端にだぼをセットします。

 

石材の裏面と下地面との間には50×100mm程度のモルタルを充填します。

 

4. 50二丁ユニットタイルのマスク張り

ユニットタイルの裏面に厚さ4mm程度のマスク板をあてがう

 

金ゴテを用いて張付けモルタルを一定の厚さに塗り付けた後、直ちに壁面にユニットタイルを張り付ける。

 

目地部に張付けモルタルがはみ出すまでタイル表面からたたき板で十分たたき込みを行う。

 

 

 

5. 左官工事における吸水調整材

モルタル塗りの下地となるコンクリート面等に直接塗布することで、下地とモルタルの界面に薄い膜を形成させて、モルタル中の水分の下地への吸水(ドライアウト)による付着力の低下を防ぐものである。

 

吸水調整材塗布後の下塗りまでの間隔時間は、一般的には1時間以上とする。

 

長時間放置するとほこり等の付着により接着を阻害することがあるので、1日程度で下塗りをすることが望ましい。

 

6. 防煙シャッター

表面がフラットでガイドレール内での遮煙性を確保できるオーバーラッピング形のスラットが用いられる。

 

また、まぐさには、シャッターが閉鎖した時に漏煙を抑制する構造で、不燃材料、準不燃材料又は難燃材料の遮煙機構を設ける。

 

座板にアルミニウムを使用する場合には、鋼板で覆う。

 

7. 軽量鉄骨下地のせっこうボード

下地の裏面に10mm以上の余長が得られる長さのドリリングタッピンねじを用いる。

 

その留め付け間隔は、天井では、ボードの周辺部150mm、中間部200mmとする。

 

壁では、ボードの周辺部200mm、中間部300mmとする。

 

また、取付位置はいずれもボードの周辺部では端部から10mm程度内側の位置とし、ねじの頭がボードの表面より少しへこむように確実に締め込む。

 

 

8. 構造ガスケット構法

ガラスのはめ込みにおいて、ガラスのエッジリアランスが大きくなるとガラスのかかり代が小さくなる。

 

風圧を受けたときの構造ガスケットのリップのころびが大きくなるので、止水性の低下や、ガラスが外れたり、構造ガスケットがアンカー溝又は金属枠から外れたりするおそれがある。

 

 問題5 事務所ビル施工の工程表

1. Aは埋戻し Bは伸縮目地取付け

Aに該当する作業は、土工事に関する作業です。

上下の作業をみると、杭頭処理が終わっており、基礎・地中梁、捨てコンクリート工事などの土工関連が完了しているため、回答は「埋戻し」になります。 土工事の終盤にある作業を問われたら基本的には埋戻しとなります。

 

Bに該当する作業は、防水工事に関する作業です。

屋上アスファルト防水が終了しているため、次工程の伸縮目地取付け作業です。これは屋上アスファルト防水工事の一連の流れですのでセットで覚えておきましょう。

 

2. 最も不適当なのは外部回りシール

外部回りシール作業は外壁タイル張り作業の後です。

また、外部足場が解体される前に終了する必要があります。

なので、今回は9月上旬が適当です。

 

3. 外壁タイル下地モルタル塗り

外壁タイルの下地となるモルタル塗りは、躯体のコンクリート打設・型枠解体が完了し、十分な養生期間を確保してから外部建具を取り付けた後から開始し、タイル張り作業の前に終了しなくてはなりません。

躯体工事が完了し、外部建具の取付が始まる6月下旬から開始し、外壁タイル張り作業が始まる8月上旬を終了日にするのが適当です。

 

問題6 請負関係と建設業法

最初に体系図を把握しましょう。

 

まずは発注者と受注者に分けて考えます。

発注者については基本的には触れることはありません。無視しましょう。

 

受注者は元請、一次下請け、二次下請けに分けられます。

元請    : A・B・C社    

一次下請け : D・E・F・G・H社 

二次下請け : I・J・K・L・M社

こんな感じですね。

 

系図を整理できたら問題を確認します。

A社が請け負った工事は建築一式工事

B~M社が請け負った工事は建築一式工事以外

この2文がポイントです。

 

1-1 施工体制台帳の作成義務

工事現場ごとに備えおかなければならない建設業者はA・C社の2社です。

 

ポイント1

元請    : 施工体制台帳作成義務あり

一次下請け : 再下請負通知作成義務あり

 

ポイント2

建設業法第24条の7

要約すると、元請業者は下請業者との契約金額が4000万円(ただし、建築一式工事の場合は6000万円)以上になるときは施工体制台帳を作成しなくてはなりません。ということです。

 

ポイント1、2より、施工体制台帳の作成義務があるのは元請かつ契約金額が4000万円(建築一式工事の場合は6000万円)の条件を満たすAとC社です。

 

1-2 再下請負通知の作成義務

再下請負通知人に該当するのはE・G・H社の3社です。

 

ポイント1

再下請負通知は一次下請けと二次下請けを繋ぐための書類です。上記にある1-1のポイント1では一次下請けには再下請負通知の作成義務があるとしましたが、二次下請けを使用しない場合は不要です。

 

ポイント2

施工体制台帳作成義務のない元請に係る下請業者は再下請負通知の作成義務もありません。

 

ポイント1、2より、再下請負通知の作成義務があるのはD・F社を除いた残りのE・G・H社です。

 

2-1&2-2

この年は建設業法から2問出題されました。これは単純に暗記しておくと良いでしょう。

建設業法第23条(下請負人の変更要求)

注文者は、請負人に対して、建設工事の施工につき著しく不適当と認められる下請負人があるときは、その変更を要求することができる。

 

ただし、あらかじめ注文者の書面による承諾を得て選定した下請負人については、この限りでない。

 

要するに下請負人の変更を要求できますよ。

ただし、事前に書面で承諾を得ていた場合は例外もありますよ。ということです。

 

 

建設業法第26条の3(主任技術者及び監理技術者の職務)

主任技術者及び監理技術者は、工事現場における建設工事を適正に実施するため、当該建設工事の施工計画の作成、工程管理、品質管理、その他の技術上の管理及び当該建設工事の施工に従事する者の技術上の指導監督の職務を誠実に行わなければならない。

 要約すると、主任技術者や監理技術者の職務は

  1. 施工計画の作成
  2. 工程管理
  3. 品質管理
  4. 指導監督

これらを誠実に行わなくてはなりませんよ。ということとです。