育児に悩む大人へ!兎の眼でみてみよう

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灰谷健二郎さんの著書、兎の眼という本をご存知でしょうか?今回はその本を紹介します。子どもが小学生くらいに大きくなったら読ませたい本1番です!そして全国の保育士、教師、そして親さんに読んで欲しい、読まなきゃいけないよう義務化したいくらい良い作品です。

 

小学校の新任教師と子どもたちを描いたストーリーなのですが、とにかく学ぶことが多いです。初めて読んだのは高校生の時、そして先日、古本屋さんで見つけたので懐かしく思い、購入しました。再び読んでみてやはり感銘を受け、久々に熱いものがこみ上げてきました。子どもができてから読むとまた一段と受け止め方がかわったのです。育児に悩む人、日々奮闘する教育者にぜひ読んで欲しい本です。そんな兎の眼の中身に少し触れながら、この作品の登場人物から学ぶ事を紹介したいと思います。

 

大学を出たばかりの新任教師・小谷せんせいが受け持ったのは、学校で一言も口をきかない1年生の鉄三。決して心を開かない鉄三に打ちのめされる小谷せんせいだったが、鉄三の祖父・バクじいさんや同僚の「教員ヤクザ」足立先生、そして子どもたちとの触れ合いの中で、苦しみながらも鉄三と向き合おうと決意する。

 

そんなストーリーからいくつか心に残った一文を冒頭からいくつか抜粋します。

 

鉄三に手こずっているようだけれど、ぼくの経験からいうと、ああいう子にこそタカラモノはいっぱいつまっているもんだ。

主人公の小谷せんせいに教員ヤクザの足立先生が言った言葉です。鉄三という問題児にこそタカラモノがつまっている・・・そうかもしれないが、そのタカラモノとはいったい何なのだろう?おしゃべりもしない子のどのにタカラモノとやらが隠されているのだろう・・・と、物語の冒頭から考えさせられます。現実の多くの先生は問題児を問題児としてしかみていない気がします。そんなんではダメですよね。

 

足立先生のつぎの質問を、春川きみは先まわりしてこたえようとしていた。そのときのきみの眼は大人の眼に近かった。

小学生の春川きみという子が近所の年下の子に勉強を教えてお金をもらっていたというシーンです。それを足立先生がやさしく問い詰めました。そして「お金をもらうのはやめとくか」とのんびりと思いやりをこめて言いました。頭ごなしに叱りつけないところがジンときます。このやり取りに対して、後に小谷先生はこう言います。「足立先生はなにもいわないのに、きみちゃんは悪いことをしたと思ってすなおにあやまった・・・」そして足立先生は言います。「さあ、それはどうかな。」

 

悪いことかな。きみにおとなのことばが使えたら、きっというにちがいあらへん。わたしがいっしょうけんめい教えて、たった20円の月謝をもらってどこが悪いねん。そういわれたらあんた、かえすことばがあるか?」

きみちゃんと別れた後、小谷せんせいは足立先生と飲みに行き、足立先生がこのように述べました。酔ってはいたが静かな口調でこう続けました。

 

きみは悪いことをしたと思ってあやまってるわけやあらへん。すきな先生がきて、なんやら、やめなさいというてるらしい。地球の上でたってひとりかふたり残ったすきな人がやめとけというとる。しゃーないワ。きみの気持ちはそんなとこやろ。

冒頭からこのような調子で話が展開していきます。相手が子どもでも、絶対に頭ごなしの否定がないのがこの作品の特徴です。子どもの目線、事情、気持ちや考えを予想し、尊重し、丁寧に応えていきます。この姿勢を僕は見習いたいと思っています。

 

ここまで子どもに寄り添うことができる人って、とても少ないのではないでしょうか。